第18章 いめーじちぇんじ~秀吉~「R18」
「めい、秀吉より、俺を選べ」
獲物を狙う虎のような政宗の目線
(油断も隙もねえな)
「ま、政宗!そんな…」
「生憎こいつは俺の女だ」
いつもの余裕が無い
人目はばからずぐっと抱き寄せた
(かっこ悪いな…俺…)
驚いためいは目を白黒させている
「今日は一段と見せつけるな秀吉、政宗行くぞ」
ふっと鼻で笑う光秀は政宗を連れ部屋を出ていった
「ひ、秀吉さんっ…」
心配そうに顔を伺うめい
有無言わさず抱きしめた
頭を撫でひと房髪を掬い上げるとするりと手から離れていく
(めい…)
美しさが増した。心から、そう思う
たが、「髪は女の命」…そういいながら髪を梳くめいの姿が目に浮かぶ
「あ、あの、秀吉さん…」
申し訳ない無さそうに胸を押し返してくる
「すまない…格好悪いな、俺…」
余裕のある大人の男でありたいと思う
その思いは諸刃の如く崩れてゆく…
余裕がない…めいの事になるといても立ってもいられなくなる
「すまん…ちょっと頭冷やしてくる」
温かな温もりを手放し難いと思いつつ部屋を出た
ウリに餌を与え、書状に目を通し気づけば夕刻を過ぎていた
(詫びをいれないとな)
髪を切り綺麗になったあいつの事が頭から離れない
夕刻を過ぎ区切りのついた所でめいの部屋へ向かった
「めいいるか?」
「どうぞ」
ぱたぱたと音を立て襖を開けためい
ふにゃとした俺の好きな笑顔
「ごめんな」
片手で襖をしめ、すぐさま抱きしめた
「ひ、秀吉さん!?」
柔らかく小さな身体、包み込むようにまわされた腕
(俺の好きなこいつの匂いが立ち込める)
驚いた顔をしたのもつかの間、すぐに背中に手を回し少し力を込め抱き締め返してくる
(あぁ、可愛すぎる…だめだ)
髪を切った理由を聞いて良いのか…悩む
己の決断力の鈍さに嫌気がさしているとめいが口を開いた
「あのね、もっと可愛くなりたくて髪切ったの」
恥ずかしそうに呟くと耳をほんのり赤く染め胸に顔を埋めてくる
(もっと可愛くなりたくて?いやいや、充分過ぎるだろ)
確かに、雰囲気が変わり愛らしさが増した。が、めいを狙う輩が群がる