第18章 いめーじちぇんじ~秀吉~「R18」
(一体何が起きたんだ…)
めいが髪を切っている
朝起きた時は長かった。腰にかかるくらいまで伸ばした髪
いつも結い上げては形を変え雰囲気を変えていた
(何があったんだ…)
「秀吉、聞いておるのか?」
信長の声がかかる
だが、秀吉は上の空、耳に入ってこない
「秀吉、信長様に失礼だぞ」
「…っ、申し訳ありません…」
(いかん、俺としたことが…)
見間違える筈がない、邪念を払うように政務に励んだ
日が真上をさし昼餉となる
信長、光秀と共に昼餉をとり再び政務へと気持ちを切り替える
(飯が喉を通らないとはな…)
隣国大名との謁見を控える信長、留守を預かる秀吉、隣国の状況を把握するため斥候を遣わせる光秀
政務は日暮れまで続き、心がもやもやとしたままその日を終えた
(めいは戻っているだろうか)
めいの部屋へ向かい襖を開けようとした所、声が聞こえる
(この声は)
「髪、切ったんだな」
「うん、髪結さんにお願いして切ってもらったよ」
「まるで幼子のようになったな」
「ちょっと!光秀さん、酷いですよ!」
「俺はいい女になったと思うぞ?」
(こいつら、言いたい放題)
中には政宗と光秀がいる。二人して、楽しそうに声をかけていることに苛立ちを覚え
「お前ら何してんだ」
「あ、秀吉さんお帰りなさいー!」
笑顔で駆け寄るめいは愛らしい
が、しかし、自分の中に宿る嫉妬心が勝ってしまう
「何だ秀吉、怖い顔をしおって」
薄ら笑いを浮かべる光秀に腹が立つ
「お前達がこいつを色目で見るからだろうが」
「い、色目なんてっっーー」
(こいつも全く分かってないな)
自分に向けられた男たちの目線に気づいていない
その純新無垢さが時として危なっかしさを彷彿させる