第16章 甘い違いの後~秀吉~ 【R15】
何とか地獄の朝餉を終えると信長様に呼び止められ
「貴様ら、朝から騒々しいぞ」
ピシャリとお灸を据えられる
「申し訳ございません、信長様、以後気をつけます」
折り目正しく詫びる秀吉さん。私も慌てて頭を下げる
「ごめんなさい…静かに起きます…」
天守閣へ戻られた信長様の入れ違いに待っていた政宗
「せいぜい仲良くやれよ。何なら、俺が鳴かせてやろうか?」
にやにやしながら腰を抱かれ距離を詰められ
「え、遠慮します!!」
(ち、近い…)
「政宗、お前までまだ茶化すのか」
口笛を吹き政宗も自分の御殿へ帰っていった
「…秀吉さん…ごめんね」
「いや、俺が大人気なかった。明日からはもっといい方法で起こす事にする」
(どういう事だろ?)
「?」
首を傾げると掠めるようにチュッと唇を啄まれ、
「こうして起きるまでお前に口づける」
「だ、だめだめ!」
「こら、騒いだらまた聞かれるだろ」
反論の余地なく手を引かれ部屋へと帰ってゆく
(反論出来ない…嬉しいけど心臓持たないよ…)
どこまでも世話焼き体質で甘やかしてくれる人たらしな恋人に翻弄されながら騒がしくも平和な一日を迎えた
終