第2章 三日月に映る光と影 【R18】
(秀吉さんに見つかりませんように…)
昨日は政宗にの御殿に泊まり、朝城に戻ることになった
(見つかったらまた怒られるよね)
廊下をすれ違う女中たちはにこにこと声をかける
「あら、めい様、おはようございます」
「お、おはようございます」
すれ違う女中と挨拶を交わしたのもつかの間…
「こぉら、めい」
ドキッ//
(ひ、秀吉さん…だよね?この声…)
ビクっと肩を震わせ恐る恐る振り向くと呆れた顔をした秀吉がいた
「年頃の娘が、、朝帰りはダメだと何度言えばいいんだ」
「…ごめんなさい…」
「全く、安土内は平穏ではあるが、朝帰りは別だ」
(うぅ…やっぱり怒ってる…心配してるんだよね)
腕を組み眉を下げめいを心配する秀吉
「秀吉」
「信長様、おはようございます」
「の、信長様…おお、おはようございますっっ」
「ああ」
(信長様にも怒られるかな…)
緊張した面持ちで信長に挨拶し頭を下げるめい
「秀吉、その位にしておけ」
「信長様?なぜでございますか?若い娘が一人、朝帰りなどと言う事は、、、」
疑問を隠させない秀吉の顔を見た信長が鼻で笑う
「ふっ、こやつはあの政宗を手玉にする女だ」
「て、手玉!?!???」
かぁぁっと顔を真っ赤にするめい
「こら、朝から大きな声を出すんじゃない」
(うぅ…)
「良い、秀吉、眉間に皺がよっておるぞ」
「はっ、申し訳ありません」
「ところで、めい」
「は、はい…」
(な、何!?)
表情が一段と強ばる
「貴様は腹が据わっていると思えば、酒に酔ったように顔を赤くしたりと忙しい女だな。実に不可思議な女だ」
「…」
「貴様は俺の所有物だという事は忘れるな、幸運を呼ぶ女だ。政宗に似るでないぞ」
「へ?」
(、変な声でちゃった//)
薄ら笑いを浮かべ信長は踵を返し、後を秀吉が着いて去っていった
(政宗に似るなってどういうこと??)
信長からの忠告の意味を理解出来ぬまま自室へと戻る
(政宗に似る??…あっ、しまった!!早く着物、仕上げなきゃ)
めい信長に新しい羽織の仕立てを命じられていた
(この間、いい反物を格安にしてもらったんだよね♪)
城下にある反物屋の主はめいのことを娘のように可愛がってくれる初老の男性