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愛を紡ぐ~二人の欠片(カタチ)~

第11章 その手に触れる砂と籠 【R18】



「三成様、信長様がお呼びです」

驚いためいは顔を離し胸を抑えた

「はい、すぐに参ります」

「ご、ごめんね…」

「いえ、こちらこそすみません。行ってきます」

「う、うん…じゃあ…私も戻るね…」

めいは部屋をあとにした




一週間程、信長と共に視察に出掛け安土城を空けていた三成

(何でしょう…とてもめい様の事ばかり気になります)

浮かない顔の三成はを横に信長は不敵な笑みを浮かべている

「どうした三成、熱でもあるのか」

「いえ、熱はありませんよ」

「お前がそわそわしているとは珍しい光景だな」

「そわそわですか?」

(そわそわとは何でしょうか)

首を傾げ固まる三成を見た光秀がからかい混じりに告げる

「恋でもしたのか?三成」

ーードキっーー

胸が高鳴り耳がほんのりと赤くなる

「くくっ、やけに面白い面をするものだな。狐に摘まれたようだ」

(やはり、この気持ちは恋煩いなのですね)

「何だ、貴様、めいに似てきたようだな。見ていて何やら面白くなってきた」

光秀の発した言葉は三成には聞こえていなかった



翌日、城に戻ると、めいは三成の部屋を掃除していた

(何か音がしますが何でしょう…)

パタパタと音がし、足音がする

「めい様?」

「あっ…み、三成君……お、おかえりなさ…い…」

顔を真っ赤にしためいがそこにいる

「ただいま戻りました。掃除をして下さっていたのですね」

ぱぁっと花の咲いたような笑顔で三成は喜んだ

「う、うん、秀吉さんに三成君のお部屋も掃除してって言われて…」

明るい表情は一変し曇を見せた

「み、三成…君?」

おずおずと顔を伺うめいの手を掴むと、驚いた反動でよろけてしまった

「あっ……!」

無言のまましっかりと抱きとめ腕の中に収めてしまう。少しずつ自覚し始めた自分中に渦巻くもや。それは恋心故の嫉妬だと…

「み、三成くん…もう、大丈夫だよ…」

少しの沈黙の後、静けさを破るように三成が口を開いた

「めい様、私はやはりあなたをお慕いしております。秀吉様や政宗様達の事を聞くだけでも私の中に嫉妬と言う気持ちが渦巻いて居ると自覚しました」

「み、三成く…ん…」

艶やかな唇に吸い寄せられるようにそっと唇を寄せた
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