第10章 声に映し路と響 【R18】
顕如の瞳に映らないものは自分のなのか…その心に触れることは叶わないのか…持て余した熱が冷めることは無いと感じる反面、心の中が凍りつくように苦しい
(そんな…悲しい目をしないで…)
顕如の心に触れたい、その氷のように冷たく閉ざされた心に触れたい…一つに溶け合いたい、その想いが口をつく
「顕如さんの全てが欲しい…です…私はあなたが好きです…」
縛られた手を伸ばし顕如の顔へと向ける
「あなたに…触れたい…」
「ならばなぜ泣いているのだ…」
「顕如さんの心が悲しみに溢れているのが辛いんです…一人で抱えないで…」
「っっ…」
流れ落ちる涙を拭い、手首に巻いた紐を解いた
「めい…」
(…!!!)
そっと両手で顕如の顔を包み込む。熱を帯びた顕如の肌に触れると手が重ねられる
「顕如さんが好き…大好きです。この手は優しくて温かいです」
微笑むと、ゆっくり顔が近づき唇が重なる。優しく、壊れ物をあつかうような甘い口付けが身も心も温かく溶かしてゆく
「んっ…ふぁぁっ……」
口を開けばするりと舌を差し出され、応えるように舌を絡める。長い口付けの後、袈裟を解き徐々に素肌が現れる。鍛え抜かれた体
怒張し、天高く反り勃ったそれをあてがい
何度も先端を擦り付けた
「あんっ……!」
「力を抜け…」
頬に口付けを落とし、首筋を甘嚙みされる
「ん……!!ぁっ……!!」
襞をかき分けゆっくり沈められる。熱を帯びたそこは蜜を絡めずぶずぶと奥をめがけてくる
「くっ……」
顕如の興奮した吐息が耳元で漏れる。侵入は止まり、大きく息を吐くと一度先端まで引き抜かれ、また奥深くへ埋め込みゆるゆると戦慄を始めた
「はぁっん……ぁっ……っ、んぁ……!!」
中を押し広げ熱い熱が打ち付けられる。深度を増し、深く深く官能の声を張り上げる以外何も無かった
「あんっ……け、顕如…さ、、んっ…………」
自らの腰も揺れ動き、激しく中へと誘い込む。お釈迦様のいる、寺の一室で激しく乱れ狂う背徳と抑情の狭間
「めい、めい…」
上体を少し起こした顕如は抜かぬままめいの体を横に向かせる。角度を成す変え小刻みに突き上げれはまたあられもない喘ぎ声が響く
「あぁぁ…そ、っっそこ……!!」
「ここがいいのか?」