第40章 ~拾玖~HOME
サラは絶対人に頼るヤツじゃない
女だからって弱く見せるのを絶対嫌う
それが、あんなにも泣いていた
その理由がわかったのは、市丸隊長が逝っちまった後だった
....敵わねえだろ、これじゃ
死んだ人間は越えられねぇ
でも生きてる人でも越えられねぇ人がいる
サラはその人を支えに生きてきた
俺のが...長く一緒にいるのにな...
「また泣きたくなったらいつでも肩貸すぜ」
「ありがとう修兵...でも大丈夫。私もいつまでも泣き虫じゃいられないから...」
そう言ったアイツは真っ直ぐに前に向かって進もうとしていて
それで、俺は史上最大の失恋とやらを味わった訳だ
...このままじゃ駄目だ
...ダメだろこれじゃ
強くならなきゃなんねえだろ
心も、体も
もっと磨いて
俺に志波副隊長や市丸隊長、浦原喜助の代わりは無理だし、やるつもりもねえよ
俺は俺だ
けど、今のままじゃ駄目だ
「...俺...強くなる 絶対に」
そう告げた俺に向けてくれたサラの笑顔は本物だと思うから
だからもし、サラの笑顔が消えるようなコトがあったら
もしサラが泣くようなコトがあったら
絶対に奪ってやる
そん時は俺も
強くなってると思うから