第30章 ~拾柶半~GOOD-BYE2
「綺麗…これは?」
「霊圧制御装置ッス。サラさん卍解を取り戻してから霊圧が上がったデショ?だから作ってたんです」
「……だから最近夜遅くまで、研究室に籠ってたんですか?」
「ありゃ、バレてました?サラさんが取り戻した日から作り始めてたんですが昼間は茶渡さん達の修行でしょ?
色々立て込んでてさっき出来上がったから持って来たんです」
「そんなに長い間…」
「勝手に作ってただけですし。まぁ少し寝不足ですけどね」
喜助さんはヘラッと笑った
「喜助さん…」
「貸して下さい」
喜助さんは私の首飾りにチャームを通すとまた首飾りを私の首に戻した
「うん…思った通りよく似合ってるッス♪」
「…ありがとうございます」
「いえいえ」
「これ…喜助さんみたいですよね…」
私は首飾りを触りながら呟いた
「アタシですか?」
「はい。この鶯色の石は喜助さんの瞳の色だし、今頂いた石は髪の色とそっくりです」
「そうッスかぁ?こんなにキレイじゃありませんよ 笑」
喜助さんは帽子を取ると自分の髪を摘まんで眺めている
その様子を見つめていた私は思わず俯いてしまう
「……どうして今…」
「ん?」
私のか細い呟きは喜助さんの耳に届かない
「何でいつも…」
「いつも…何です?」
今度の言葉は聞き取った喜助さんは優しく聞き返した
「どうしていつもこんなに良くしてくれるんですか?喜助さんはいつも私の事を気にかけてくれる…私は何も返せてはいないのに…」
私はそう言うと浴衣の袖を握りしめた