第29章 ~拾柶~GOOD-BYE
「よく知ってたわね」
「そりゃ一度見てるし断崖でしてあげようかって…」
「そういえばそうだった」
サラはフフッと笑うと腰を上げて一護の前に立つ
そして一護の両頬に手を添えた
「……///」
「じゃぁ…目、瞑って?」
囁く様な話し方に緊張しながら一護はゆっくりと目を閉じた
そして次の瞬間、一護は目を見開いた。額に集中していた意識は口に移動したから…
「―――!?」
サラは一護の唇に自分の唇を重ねていた
(サラ…///)
長い口付けに一護はまた静かに目を閉じた。そしてゆっくりと唇が離される
「サラ…」
「このおまじない、凄く効きすぎちゃうけど文句言わないでね?」
サラはそう言うとイタズラな笑みを見せる
「///…言わねぇよ」
サラはクスッと笑うと部屋のドアに向かっていく
「帰るのか?夕飯食ってけよ」
「お言葉に甘えたいんだけど食事当番なの。人数も増えたから早く帰らないと間に合わないから」
「恋次とチャドか…アイツら食いそうだもんな」
サラはドアを開けると一旦、動きを止める
「……一護…」
「ん?」
振り向いたサラは今までにないくらいの綺麗な笑顔を見せる
「さよなら」
「お…おぉ///」
サラが帰った後、一護はベッドに倒れ込む
「何だよあの顔…///オレ…振り回されてんな…」
一護は手の甲を口に当てるとさっきの事を思い出していた