第3章 ~弐~FRIEND
「(もしかして…)ずっと扇いでくれてたんすか?」
「え?…まぁ…今日は凄く暑いしね」
生徒一人の為に何時間も…
少年はさっきの態度が恥ずかしくなった
「あ…有難う御座います」
「いいよそんなの。それより君の瞳って…」
その言葉に少年は顔をしかめる
「気持ち悪いって言っていいですよ?…慣れてるんで」
「…何言ってるの?凄く綺麗じゃない♪うん…翡翠の色と同じで凄く素敵…」
サラは少年の瞳を優しい眼差しで見つめる
「――!!じゃ…じゃぁこの髪の色は?白なんておかしいだろっ!?」
急に声を荒げる少年に、サラを目を丸くする
「うーん…君がどうしてそんな事いうのか解んないけど私は変なんて思わないよ?その色も個性じゃない…私は好きだな」
「そ…そんなの…言われたことない。皆…オレを否定して…」
そうだ
誰もオレの事なんて…
いや、
たった二人だけ――
それ以外は誰も
"オレ"を見てくれなかった