第14章 ~漆半々~GO3
「――なッ…!?」
その内容に混乱しつつも冬獅郎は桃の刃を受け流しながら叫ぶ
「雛森よく考えろ!!"自分が死んだから代わりにオマエが戦え"だと!? 藍染の奴がそんなこと言うと思うか!?
オレの知ってる藍染は勝ち目の無え戦いに一人で出向くようなバカでもその尻ぬぐいを部下にさせるような腰ヌケでもなかったぜ!?」
「だってそう書いてあったもの!あれは藍染隊長の字だったもの!!私だって信じたくなかったもん!!
でも藍染隊長がそう言ってるんだもん!!」
桃は発狂しながら刀を振り回し冬獅郎の言葉を聴こうとしない
「もう……あたし…どうしたらいいかわかんないよ…シロちゃん…」
混乱して判断が出来ず泣きながら尚も斬りかかる桃を冬獅郎は床に叩きつけてしまう
そしてその瞬間、ギンが笑っているのが見え冬獅郎は全てを悟った
「…あらら酷いな十番隊長さん。傷ついて我を忘れた女の子をあないに思いきり殴らんでもええのに」
「これも全部てめえの仕業か市丸……テメェの目的は何だ?藍染だけじゃ足りねえか…雛森までこんな目に遭わせやがって…血が滲むほど刀を握り締めなきゃならなくなるまでこいつを追いつめやがって…」
冬獅郎は怒りに震えながら言葉を紡ぐ
「…はて何のことやら」
「…言った筈だぜ市丸…雛森に血ィ流させたらテメェを殺す!!!」
そう言った瞬間、冬獅郎は霊圧を上げ斬魂刀を抜く
「アカンなぁ...十番隊長さんこないな処で斬魂刀抜かれたら…ボクが止めるしかないやないの!!」
ギンも笑顔を張り付けたまま斬魂刀を抜き二人は対峙した