第13章 ~漆半~GO2
ル「一護ッ!?」
浮「…強力な麻酔を直接内蔵に打ち込んだのか…そこまでしてその少年を助けたいのか?」
白「…させると思うか」
音も無く突然白哉が姿を消し、背後から刀を降り下ろす
「…その程度の瞬歩で儂を捕らえられると思うたか?」
完璧なる白哉の瞬歩を躬した夜一は一護を抱え白哉達に叫ぶ
「3日じゃ!!3日で此奴を御主よりも強くする!!それまで勝手じゃが休戦とさせてもらうぞ!!御主も来い!!」
「はい...」
「この"瞬神"夜一まだまだ鬼事では負けはせぬ―――」
そう言い放つと夜一はその場から姿を消した
「…おいっ何処へ行くんだ?旅禍の処理をしに来たんじゃないのか!?」
「…興味が失せた…」
浮竹の問いに後ろ姿で答えた白哉は一目サラを見やるとその場を後にした
「…浮竹様。後の事はお願い出来ますか?」
私は岩鷲の傷を止血しながら浮竹に問う
「あ…ああ。君はもしや…」
「有り難う御座います。…ルキア、もう少しだけ待ってて…」
その返事を聞くと私はルキアに告げ、浮竹隊長に一礼をするとその場を去っていった
浮竹はルキアを再度牢へ入れると救護班を呼ぶ様に手配を取る
花「…何で僕達を助けてくれるんですか?」
浮「助けるさ…やり方は間違っているとしても君達は俺の部下を救おうとしてくれた。そんな奴等を死なせてたまるか。…君は彼女を知っているか?」
花「……いえ...」
花太郎は語らなかった。今はまだその時ではないと思ったから―――
白哉は歩きながら考えた
先程の旅禍の女…サラと呼ばれていた
定かではないが自分を見つめる瞳に吸い込まれそうになった
握られた手の感触に心の臓が高鳴った
そして一度だけ呼ばれた名前に懐かしさを感じた…
サラ…
兄はあのサラなのか?
私は今も昔も大切な人を助けられない――――