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桜の葉が舞い散る季節、貴方の傍に居られたら… 【気象系】

第11章 B


翔さんの症状は、井ノ原先生の言った通り、良くなることはなく…素人目に見ても明らかに進行しているように見えた。

それでも翔さんのお母さんの口添えもあって、役所にも申請が通り、保険証が手に入ったおかげで、ちゃんとした診察が受けられたことは、今後翔さんと生活をしていく上で、とても大きな助けにもなった。

井ノ原先生の診断では、翔さんの病名はやっぱり”若年性アルツハイマー型認知症”で間違いないそうだった。

勿論、MRIやPET検査の結果を受けてのことだった。

認知症の進行を抑えるための薬も処方された。

井ノ原先生は、翔さんの症状にはもっとも効果的な薬だと言った。

それなのに進行しているように見えるのは、薬の効果が進行を抑えるための物ではないからなんだろうか…

どちらにしても、井ノ原先生の話は俺には難しすぎて、何の事やらチンプンカンプンだった。

ニノが付き添ってくれなかったら、きっと俺一人で抱え込むなんてことは出来なかったと思う。

ニノは俺がバイトに行ってる間も、アパートに仕事を持って来ては、仕事の合間合間に翔さんの面倒を見てくれた。

いや、ちがうな…逆だ

翔さんの世話の合間に、仕事をしていたんだ。
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