第15章 落涙
泣き崩れる月島さんの背中を撫で、なだめる入野さん。
「俺は、あやめちゃんが好き。」
「あやめちゃんにも伝えてあります。」
「どんなに胸の中で想っていても、行動に起こせない人には譲れませんよ?」
中村さんと岡本さんを交互に見る入野さん。
「あやめちゃんが誰を好きでも構わない。」
「俺はあやめちゃんを守りたい。」
「それだけ。」
「行こう…あやめちゃん。」
肩を抱きながらとか一歩一歩歩みを進める二人。
「入野さん!」
このまま、その人を連れ去って。
私から……
うぅん。岡本さんから引き離して。
「キミも、もう関わらないで。」
もちろん。
関わらなくていいなら、私だって関わりたくない。
「俺のことならバラしても構わないけど、あやめちゃんの変な噂でも流したら…」
「許さねーからな。」
睨まれても、動じませんよ。
貴方があの人を好きなのはずっと前から知ってたから。
逆に憎まれた方が、清々しい。
その人から絶対に離れないでくださいね。
これ以上、私の周りから何も奪わないで。