第54章 甘美*
私のナカに増やされる指。
バラバラに動いて、私の良いところを攻め立てる。
「岡本さっ…んっ」
「んー。」
耳にキスをしながら、聞こえる吐息は楽しそう。
抜き差しされる指。
小刻みに触れ続ける指先は芽を弄り続ける。
「岡本さん…っ…気持ち良っ」
「またイっちゃっ」
カラダが強ばり、快楽を求める指先は岡本さんの腕を捉えツメを立てる。
「岡本さっ…ぁっ」
自分の声が浴室に反響し、少し離れた鏡に微かに映る自分の姿を捉えては目を逸らす。
自分の乱れた姿なんて見たくないもの。
私は本当にビッチ。
あの頃と何も変わってない。
痙攣する内壁を感じながら瞼を閉じて、岡本さんの腕をゆっくりと撫でた。
「あー…日菜乃ちゃん…あんまり良い声出さないで。」
「ボク…ガマン出来ない…」
どれくらいお風呂にいるんだろう。
私は何回イったんだろう…
岡本さんの声に余裕が無い。
霞む視界で浴室を見渡す。
流れ落ちた泡は、すでに見当たらない。
「ボクも…そろそろイきたいかも…」
「ベッドまでガマンできない。」
腰の辺りに感じる存在感。
「岡本さん…入れて…下さい」
私だって…もうガマンの限界。
「岡本さんを感じたい。」
そう言えば、一瞬動きが止まる。
「日菜乃ちゃん…あんな事言っといて何だけど…」
「ボクは付けないでキミのナカには入れないよ。」
「そこはキチンとしたいから。」
ニッと笑って、触れるようなキスをしてくれる。
「口でしてくれないかな。」
少し頬を染めて見えるのは蒸気でカラダが熱くなったからですか?
今度は私がクスッと笑って岡本さんの前に跪いた。