第54章 甘美*
背後から抱き付かれ泡を纏ったスポンジが肌を行き来する。
「自分で洗えます…」
「久々だからサービスしてるんだけど。」
話している間も絶え間な動く腕。
体についた泡のせいで時折触れる肌が私を誘う。
お腹や腰を滑る指にカラダが震える。
「っ…」
「ん?どうしたの?」
今度はツーッと背骨に添って指を滑らせる。
「やっぁ…」
「予想以上の反応とか…止めてよ。」
「岡本さんこそ止めてくださいよっ」
キッと睨んでも岡本さんは楽しそうに笑う。
「スポンジなんて焦れったい事しちゃってごめんね。」
そう言って、手に持ったスポンジを床へ落とす。
その直後から今度は私の肌についた泡を伸ばすように肌の上に滑らせる。
「ツルツルだね。」
今度は私の指に指を絡める。
「前に触れたのはいつだったかな?」
空いた手を胸へ。
既に固くなった先端を指先で摘まむ。
「やめてくださ…っ」
首筋に顔を埋めて、軽く啄む。
チュッと吸われる感覚に付けられたであろうキスマークを想像した。
「キスマークはダメです…っ。」
「ん?あーごめん。無意識。」
今度はその箇所を舐めあげる。
「やっ」
私の声を合図にさっきまで絡めていた指を解いて両方の胸をやわやわと揉みしだく。
「柔らかい…」
ゆっくりと与えられる快楽に瞼を閉じて味わう。
「んっ…」
「気持ちいい?」
コクッと頷けば嬉しそうにクスクス笑う声。
「もっと良くしてあげる。」
その声に瞼を開き、動く指の行き先を目で追ってしまう。
ドンドンと下がる大きな掌。
ジワジワと与えられる快楽。
もっと触れて欲しい。
「岡本さ…っん…」
背後に立つ岡本さんの名を呼べば耳を寄せてくれる。
「ん?」
柔らかい髪に指を絡ませれば、指先に感じる熱気。
「もっと…」
「沢山触れて下さいっ」
そう言えば、クスッと笑って耳朶に軽く歯を立てる。
「今日は、どんなワガママでも聞いてあげるね。」