第28章 着想
朝の日差しを浴びながら、久々に自宅近くの公園を走る。
朝早いせいか、人も疎ら。
木々の間を抜ける風は、秋の音を運んでくる。
足元には沢山の落ち葉。
その落ち葉を踏みしめながら、軽く走る。
額にはうっすらと汗が滲む。
キャップを被り直し、時計を見れば既に40分を越えている。
「やっぱりペース落ちてるなぁ…」
最近ずっと走っていなかったせいか、体力は落ち、ペースも大分落ちている。
日にもそんなに当たってないから、焼けてないと思うんだけど……
私の肌は焼けやすくて、色が抜けにくい。
秋になっても、腕とお腹や太股など衣類に隠れている部分とそうでない部分の差がはっきり分かる。
達央さんにも、櫻井さんにも『焼けてる』って言われたし…
二人の声を思い出すと同時に、二人との行為まで連鎖的に思い出してしまう。
「なんで、しちゃうのかな…」
ただの緩い子じゃない……
自分の欲求に甘い。
前から自制しようともあまり思わない方だけど。
それでも、さすがに先輩二人との関係は芳しいとは思えない。
瞼を閉じれば思い出すのは?
そう…私は……。