第24章 予覚
あっと言う間の二日間。
京都らしいものは食べられなかったな。
ジュースバーで買ったミックスジュースを飲み込む。
「ん。美味しい。」
「次は、もっとゆっくりしたいなぁ。」
チラリと横を向いても何の反応もない。
「やる事やってから、言えって話ですよねー。」
「何も言って無いだろうが…」
楽しそうな笑顔。
久しぶりに見たかも。
「何だかご機嫌ですね?」
「そんなこと無いよ。」
向けられる温かい笑みに調子が狂う。
逃げるように視線を車窓に向ける。
背中を背もたれに付けると自然と欠伸が出る。
「ふわぁ~」
「デカいクチ」
「煩いですよ。」
「眠いなら肩貸してやるよ?」
「何なんですか…?優しすぎて気持ち悪い。」
「頑張ってる日菜乃に優しくしたいと思ったんだよ。」
悪態をついても今日は怒られない。
本当に調子が狂う…。