第17章 昏迷
力任せに壁を叩く。
「くそっ…」
見てることしか出来ないなんて。
誰の言葉も耳に入らない。
それなのに
「あのっ…」
この子は、本当に空気読めないって言うか…
何と言うか……。
「キミさ…最後の最後にやってくれたね。」
チラリと視線を動かし大きなため息をつく。
どちらかと言えば大人しい子だと思ってたんだけど。
強制的に色々見せつけられた。
心の中まで土足で上がり込んできた。
心中穏やかではないよね。
「でも…まぁ…現状を把握出来て良かったのかも。」
知らないことが多すぎてき頭が付いて行けてないけど。
僕には…。
入野さんみたいな行動力は無い。
中村さんみたいな包容力も無い。
でも。
きっと。
きっと僕にしか出来ない事はあるはずだ。
うん。
時間が掛かっても絶対に手に入れてみせる。
「それに、自分の気持ちも再認識出来たし。」
意外とめげない自分に少し驚く。
「とりあえず、今はキミと話したく無いかな。」
これ以上、僕の心を乱さないでくれる?