白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第4章 蝶の羽根に触れる時
【蝶の羽根に触れる時】
黒尾side
仲間と言い聞かせた
アイツはオマエが好きだったから
でも触れたかった
俺はオマエが好きだったから
俺が触れる度に
嬉しそうに
パタパタ動く羽根
振りまかれる鱗粉に
俺は酔い
強く羽根を掴んでしまう
手の中で藻掻く蝶
それを見つめるアイツの
顔を見る度に
手を緩めて蝶を逃がす
日に日に腕の中で弱る蝶が
俺に墜ちて来るのを
密かに願いながら
今日も俺は
戯れる
仲間だと嘯いて
好きになるなと
言い聞かせて
心を騙して蝶と遊ぶ