白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第14章 華を揺らす蝶を排する潔い華
「着いた途端修羅場とか
ないだろうな…」
部屋が近付く度に
気が重くなって来た
走って来た為か
喉の乾きも相当
近くの自販機に近付き
ポケットから
財布を…
………。
最悪か。
サイフ忘れて
お出かけって。
サザエさんかよ
ポケットに
入ってたのは
零れ落ちたであろう
十円玉が一枚
飲めないと思うと
余計に喉が渇く
短く舌打ち
手の平で十円玉を転がし
頭をガシガシと搔いていると
『あの…』
後ろから女の声