白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第9章 堕ちゆく蝶
自分勝手なキスで
激しく口内を犯した後
糸引く唇で薄く笑い
私の手を引っ張る
引き寄せられて
強く漂う甘い匂い
ヤダヤダヤダ!!
『離し、てよ!
触んないで!!』
思わず振り払った腕
『あ…ごめん…!
クロ…あの…違うくて…』
鉄朗の顔が悲しそうに
歪んで押し寄せる罪悪感
ばか…なに…してんの?私…
鉄朗を信じなきゃ…
息上がってるのは
走ってきたからで…
甘い匂いは…
甘い匂い……は?
ダメ…だよ…てつろ…。
なんなの?その匂い………。