白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第36章 華と蝶と満ちる月ー華蝶番外編ー
待ってる間も気になる
鉄朗とナナちゃん
相変わらず二人で盛り上がってる様に見えて
ズシリと重い差し入れを持って
来た道を引き返そうか、なんて
思いが過ぎって来た
その刹那
「あんなに近付いてやがる!
あれ程ナナに近付くなと
念押したのにクロオテツローめ……」
いつの間に帰ってきたのか
私のすぐ後ろで低い声が響いた
『え?鉄朗を知ってる…んですか?』
「知ってるもなにも!
俺は…あー!!ナナに近寄んな!
しっ!しっ!ナナも
懐くなー!逃げろ!ペッペッ!!」
イケメンなのに
超絶残念な感じに引っ込んだ涙は
クスッと笑いを連れてくる
「良かった、笑った…
あのまま泣いてたら
罪悪感で死ぬ所だった」