第34章 ここで咲く意味を見出す笑み

赤葦side

割り切って幸せを願っても
心から祝福出来ないのは
俺の弱さでしょうか？

まだアナタを
想い過ぎてしまう

アナタを傷付ける華なんかに…って
思って棘を剥き出しにしてしまう

それでアナタを泣かせたら
元も子もないのに…

諭され宥められ
アナタへの想いを整理して
手を離したのに

やはり蝶は厄介ですね
絡み付いた鱗粉は
遠くへ翔んで行ったくらいでは
涙を流したくらいでは
俺から離れてくれないんだから

せめてアナタを
笑顔に出来る力が
俺にあれば

気持ちを押し殺して
アナタを護る強さがあれば

俺は側で咲けるのに…

近付けない距離を
もどかしく思いながら
傷付けない距離と
笑顔の見える位置に
小さな癒やしを求めた。