第30章 蝶の心に咲く華

なるべく平静を装って
出した声に

〈そっか！良かった！
あのさ明日なんだけどさ…
って…姫凪…？
どうした？泣いてンの？〉

光太郎が気付かないわけがない

『…光太郎…あの…明日
二人で逢いたいんだけど…』

泣いてない、は
ウソだから言いたくなくて
でも、なんで泣いてたかは
簡単に説明出来ないから
スルーして
明日の予定にだけ的を絞る

〈…赤葦も断って来たけど
まぁ、良いや。
二人切り大歓迎！
迎えに行こうか？どこ行きてぇ？〉

明日はきっと
どこにも行けない。

だから…