白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第30章 蝶の心に咲く華
”違う”なんて
どの口が言うの?
”ホントは”なんて
どの面下げて言えるの?
〈ここはスルーなのかよ!
今日のお前マジなんなんだ?〉
ホントなんなんだろうね
何がしたかったんだろうね
声聞くだけって
それで満足なんて
嘘ばっかり。
あわよくば鉄朗の心に
住み着きたいなんて
まだ光太郎とのケジメもついてないのに
『…なんでもないよ…』
軽率過ぎた。
苛ついたのが電話越しでも
伝わって来て
言葉少なに応えるけど
鉄朗はヤッパリ鉄朗で
私に時間を作ろうとしてくれる