白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第30章 蝶の心に咲く華
それを確認した光太郎が
振り返り私を抱き締めた
『光太郎…?』
「姫凪…大丈夫か?」
『平気!赤くなってるみたいだけど
思ったより痛くないの!』
「違ぇよ…
傷付いた?
黒尾くんとか孤爪の事
言われてただろ?
泣きそうだっだろ?」
てっきり頬の事だと油断してた
私に放たれた
予想を上回る言葉に
『…平気…』
「嘘下手か…」
落ちた涙を光太郎が胸で押し付ける
「噛んでた?
唇切れてる…舐めて消毒しねぇと、な?
姫凪、顔上げろ」