第30章 蝶の心に咲く華

光太郎と付き合う事になって
私は少しずつ
自然に笑う事も
出来る様になったと思う

クロや研磨とも
少しずつ昔の様な関係に
戻りつつあった

昔って言うのは
まだ私がクロへの恋心を
自覚するよりもっと前

ただの幼馴染だった頃
重なる手や近い距離に
トキメク気持ちに
気付いてなかった頃の事。

「うぇーい
姫凪！数学の宿題！見せてくれ！」

『またぁ？
最近サボり過ぎじゃない！？』

それは、クロと研磨が
宮城に合宿に行く少し前。