第29章 華を蝕む闇

『縁起悪いよ…でも…
本当に…怖いよ…』

少しずつ大きくなる震えを
抱き留めて
背中を擦る

俺のせいで歪んだ関係に
向き合う小さな身体を
支えるしか出来ない自分に
少し情けなくなりながらも
落ち着いた心で頭で
今後の事を考えた

数分後

擦ってた背中の張りが
取れて身体が俺の胸に落ちて来る

「姫凪さん？」

『あ…ごめん…
なんか力が…抜けちゃって…
大丈夫…起きられ…る…あれ？』

「こらこら…無理しない…
そのまま寝て下さい
またいつでも聞きますから
声かけて下さい」