白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第29章 華を蝕む闇
『逃げないよ?』
「逃しませんけど…」
『なら…大丈夫でしょ…?
話してくれるんでしょ?』
優しく諭されて
髪を撫でられて
ユックリ離れていく身体
ズルリと抜けた自身に
急に寂しい気分になり
また力の篭もる腕
その腕を姫凪さんが
引き寄せて
『これなら
寂しくない?
本当はチャント
向き合って聞きたいけど
こうしてる、から!
話して?』
胸に俺の頭を抱く
トクン、トクンと耳に響く心音が
心地よくて
昂ぶってた気持ちが
ほんの少しだけ落ち着いて来る