白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第27章 太陽に止まる蝶
それなのに…
突然現れたクロに
止まる羽ばたき
もしかして…。
ふわりと過った想いは
整った身なりと
風が運ぶ見知らぬ香りで
掻き消えた
それは記憶に引っかかる香りだった。
あの夏の日も
その前から何度も何度も
クロに絡みつく香り
クロは避けていたはずだった
もうこの香りが
クロと重なるとは思わなかった
でも、違った。
そうだよね。
変わらないものなんか
あるわけないじゃない
私が木兎に惹かれた様に
クロだって
あの子に惹かれても
不思議じゃない…よね。