白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第23章 空に舞い上がる蝶
ホントなんなのよ
なんで一番ほしい言葉を
アンタが言うのよ……
その手を信じたくなる
震える声を信じたくなる
暖かい言葉を
信じたくなるじゃない
眼の前の木兎のシャツを引っ張り
広い胸にしがみつく
「可愛い事すんな…!
まだ抱けねぇのに!
収まんねぇだろ!」
グイッと、押し付けてくる仕草は
乱暴なのに
ちっとも怖くない
抱き締めるその腕が暖かいから?
震える声が暖かいから?
落ちてくる涙が熱いから?かな?
『…木兎が泣いてどうすんの?』
私の為に…
泣いてくれるのが嬉しいから、かな。