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薄桜鬼 あなたに逢いたい 

第13章 不調


梅「さて、お嬢さんあんた恋中の人はいるのかい?」

萩「はい、います」

梅「そうかいそうかい。お婆は≪産婆≫なんだよ」

萩「産婆さんって・・・えっ!まさか」

梅「松本先生がお婆を呼んだ訳は
お嬢さんのお腹にややがいるかも知れないと思ったからだろう
ちょっと手をかしておくれ
ここは『神門』と呼ばれておる、ややが出来た時だけ脈を感じることができるんじゃ」

スッと指をあてて脈を計る
トクトクと規則正しく脈をうっている

梅「やはりな。触って確かめてごらん」

言われた通り自分の手首に指をあててみるとトクトクと脈を感じる
お婆が手首を出して萩の指を自分の手首に持って来る
しかし脈を感じることが出来ない

梅「月のものがあったのはいつじゃ?」

萩「確かふた月半程前だったと思います」

最近忙しくすっかり忘れていた

梅「そうかい。あとひと月程は安静にしておれ、無理をしてはややが流れるでな」

萩「はい・・・」

梅「ほっほ、心配せんでええお婆が最後まで面倒見てやるでな
元気なややを産みなされ」

近藤「松本先生!萩君は無事か!?」

土方「近藤さん少し落ち着けって!」

左之「今診察してる最中だ!」

平助「松本先生がここにいるのに誰が診察してるんだよ!?」

松本「うるさい!!!心配なのはわかるが静かにしろ!?」

廊下から賑やかな声が聞こえてくる

梅「おやおや、騒がしいこと。お嬢さんは皆に好かれて幸せ者じゃのう」

2人で顔を見合わせクスクス笑いあう

梅「もう入っても構わんよ」

スパッッンと戸が開くと皆がなだれ込んできた

『萩「君」大丈夫か!?』

梅「静かにせんか!?体に障るわ!!男共はまったく煩いのう。
いいかい良くお聞き
人それぞれじゃがあとひと月は安静にせねばならん
そうすれば体調も安定するじゃろう」

近藤「ひと月・・・・・」

梅「安定したからと言って無理をさせてはだめじゃ
半月に一回はお婆の診察を受けること」

ふむふむなるほど、と梅の話を聞き頷く近藤

梅「お嬢さんは可愛らしいからきっとややも可愛いじゃろうのう」

近藤「そうかそうか、ややは可愛い・・・・んっ?やや?」

『ややだとーーーー!!!!!』

男たちの絶叫が家の外まで聞こえるのだった
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