第6章 約束の印
いきなり頭を抱え込んで座る萩の顔を覗き込み
総司「勝負はついてないよ?」
萩「・・・思い出した・・・約束」
総司「約束?」
顔を上げ総司をみつめながら呟く
萩「守ってくれるって・・・」
総司「守るって?わっ!」
ぽろぽろ涙を流しながら総司の首に腕を回しギュッと抱き着く
『なっっ!』皆が萩の行動に驚く
萩「あいつから私のこと守ってくれるんでしょ?・・・惣次郎」
近藤「惣次郎って言ったか?」
土方「おい、何で総司の幼名を知ってんだ?」
新八「約束って何だよ?」
平助「総司!萩から離れろ!?」
皆が口々に言うが萩は総司しか見えてない様子で
萩「8年前に桜の木の下で約束したでしょ?」
不安げに総司の顔を覗き込む
総司「・・・8年前に?」
萩「あいつから守ってくれるって・・・惣次郎から約束の印もらったよ///」
萩は頬を染めながら答える
総司「・・・守る?・・・約束の印って僕は何をあげたの?」
首をかしげる総司に萩は頬を包みこみ自分からそっと口づけた
平助「うわぁぁぁー!」
平助は絶叫し。近藤、一、新八、千鶴は赤くなり目線をそらし。土方は顔に手をあてる。左之はにやにや笑いながら2人をみる。
萩「これが約束の印だよ//」
総司「もしかして・・・ひめちゃんなの?」
総司は眼を見開く。萩は笑顔で頷き総司に抱き着くと抱きしめ返してくれる
総司「ひめちゃん。今まで何処にいたの?」
総司の言葉にあの日のことを話し出す
萩「あの日、屋敷に帰ったらあいつが・・・許婚が私を迎えに来たの。逃げようとして夢中で走ってたら崖から落ちちゃって頭をうって記憶をなくしちゃったの」
萩「崖から落ちて倒れていた私を山口家の人が保護してくれて娘として今まで育ててくれたの」
総司「無事で良かった・・・」
総司は萩の背を優しくなでる
萩「惣次郎のおかげで本当の自分を思い出せた。ありがとう」
眼に涙をためながら微笑む
総司「おかえり、ひめちゃん」
萩「ただいま!!惣次郎」