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薄桜鬼 あなたに逢いたい 

第4章 私のなまえ



ひめ「毎日毎日お稽古ばっかり・・・あきちゃったよ!」

ひめがこっそり家を抜け出しあてもなく歩いていると大きな桜の木が目に入る

ひめ「きれい!!こんな所に桜が咲いてる」

桜に見惚れているとどこからか木刀の音が聞こえる

音のする方へと足を進めると男の子が木刀を振るっている。ひめは男の子の背中に声をかける

ひめ「ねえ、こんなところで何してるの?」

男の子は驚き振りかえる

???「僕は剣術の稽古をしてるんだよ。君はどうしここに?」

ひめ「毎日毎日お稽古ばかりで・・・嫌になって家を抜け出してきたの」

悲しげに下を向きながら言った。

10歳のひめにとっては苦痛でしかない

???「何の稽古してるの?」

ひめ「うんとね。剣術に柔術に体術に・・・色々かな」

???「いっぱい習ってるんだね」

ひめ「うん。私ね跡取りなんだ、だから強くなきゃいけないの」

???「・・・君は強いの?」

ひめ「今までだれにも負けたことないよ!!」

さっきまで悲しそうな顔をしていたひめが嬉しそうに笑った

ひめの笑顔を見た男の子は

???「僕と手合わせしてみる?」

ひめ「うん!してみたい!」

・・・・・・・・・・

男の子は木刀を構える

???「それじゃ、いくよ!!」

男の子は木刀を遠慮なく振り下ろす

ひめは腰の回転を使い円を描くように木刀を避ける

お腹から頭まで線で繋いだような垂直姿勢で頭の位置を動かさずに摺り足で素早く近づく

相手の右側面へ移動すると右腕を首にかけ腰を左に90度回転し相手後方へ一歩踏み出す

???「わっ!!!!」

男の子は後ろに倒れ頭をうつ

ひめ「やったー。私の勝ちだね」

笑うひめをみて自然と男の子も口元に笑みが浮かぶ

その時遠くの方からひめを探す声がする

侍女「ひ・・・め・・・様・・・」

侍女「ひめ様・・・どこに・・・おられ・・・ますか」

ひめ「あっ!迎えが来たみたい。帰らなきゃ」

???「ねえ、明日も逢えるかな?」

ひめ「うん!」

???「僕のなまえは『惣次郎』また明日ね『ひめ』ちゃん」
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