第9章 忌まわしき日々
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暗い暗い闇の中。
私はそこに1人で立っていた。
ふと、自分の体を見たら子供の姿に戻っていた。
だいたい5歳ぐらい。
手と首にはどこか見覚えのある鎖が付いていた。
『おら!さっさと出てこいよ!!』
ドアが開いて、大柄な男が私を呼んでいる。
あぁ…そうか…
ー今から、実験台になるんだー
この間、1人の優しそうな顔をした女の人が“貴方は政府の大切な武器になるの”と言っていた事を思い出した。
連れてこられた場所は薄暗くてら目の前には培養器らしきものがあった。
…何、これ?
ジャラッ
重たい鎖が外された。
『ほら、こいつをつけろ』
渡されたものは酸素マスクのようなもの。
言われた通りそれをつけた。
『例の子どもかい?』
『ええ。マスクだけ着けさせておきました』
『そうか…』
何やら知らない男の人がいた。
白衣を着ているからいわゆる学者という人だろうか?
これから何をされるかも分かっていないのにそんな事を考えていた。
『さて、君にはしばらく眠ってもらうよ』
そう言って学者が取り出したものは何やら緑色の液体が入っている注射器だった。
その時なんとも言えない恐怖が私を襲った。
『やっ…やだっ!!』
私は出口に向かって走ったが足がもつれて転けてしまった。
『おら!おとなしくしろ!!』
男が私を押さえつけて来る。
『やだっ!…やだぁ!!!』
腕を掴まれそのままチクっとうたれた。
その後すぐに私の意識は沈んでいった。
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『んっ…』
次に目が覚めた時、近くに学者がいた。
『目が覚めたかい?どれ』
『やっ!』
ゆっくりと近づいてくるので私は後ろに下がろうとしたが後ろは壁だった。
『大丈夫、怖がらないで。体が元気か調べるだけだから』
優しそうな笑みを浮かべてくる。
それがまた恐怖でしかないが後ろが壁ならどうすることもできなかった。
学者は私の体を調べ始める。
改めて自分が実験台となったことを自覚した。
『吐き気やめまいなど、そういうものは感じないかい?』
全身を調べた学者は最後に私に聞いてきた。