第8章 エニエス・ロビー
私とスザクの言い合いに周りの海兵たちはビクビクしている。
すると、船がグラッと揺らいだ。
どうやらエニエス・ロビーの海流に乗ったようだ。
「エニエス・ロビーって言ったらあいつがいるんじゃない?」
「あいつですか…?」
「そうそう。えぇっと…なんて言ったかな?ス…ス…スリッパ?」
「スパンダムですよ。“ス”しか合ってないじゃないですか」
「まぁ、いいじゃん!それにしてもスパンダムに会わなきゃ行かないのか…」
気が重い
「そんな事言ってられないですよ。ほら、正義の門が見えてきましたよ」
スザクが指した方向を見ると大きな門があった。
「閉まってるじゃん。仕方ない、誰か電伝虫でスパンダムに繋いで」
めんどくさいなぁ〜。
私が来るって事知らなかったのかな?
「繋がりました!」
「スパ『うるせぇ!誰だ!今、忙しいんだ!』おい、私に向かってその口はなんだ?」
やっぱりこいつ嫌だ。
『ス、スカーレット大将⁉︎も、申し訳ございません、只今少々立て込んでおりまして』
「言い訳はいいよ。とりあえず、正義の門を開けなさい」
『わ、分かりました』
ったく、上司にはうまく取り入ろうとして、正体はただの出世目当てか…。
随分と分かりやすいやつ。
ギギギギッと音を立ててゆっくりと門が開いていく。
「た、大将!今入ってきた情報なのですが、エニエス・ロビーにて海賊たちが暴れまわっているとの報告が!」
海賊?エニエス・ロビーに?
「どこの海賊なの?」
「麦わらの一味です!!」
麦わら…
ニコ・ロビンを取り返しに来たのかな?
「エニエス・ロビーにまで乗り込んで仲間を守りたい…か…」
ー会ってみたいー
そう思った。
「スザク!」
「なんでしょう?」
「麦わらのルフィに会いに行くよ!」
返答も聞かず、スザクとともに飛んでいく。
「正義の門をくぐったら船がつけれそうなところにつけといて!」
「ちょっ!何を勝手に…!」
スザクの抗議を無視してエニエス・ロビーに入った。