第2章 始まりの日
広大な海の上に一隻の海軍戦があった。
「うーん、今日は天気がいいな〜」
気持ちよさげに体を伸ばす女性は銀色の髪にラピスラズリの瞳をした、最年少海軍大将スカーレットだった。
「スカーレット大将、センゴク元帥より本部へ帰還せよとの連絡がありました!」
「え〜。めんどくさいから、センゴクには風邪でも引いたって言っといてよ〜」
私はお気に入りのお菓子を食べながら海兵に言う。
「し、しかし!」
うーん。
この海兵くんいじめがいがありそう!
「ぜーったいに嫌!!」
た、大将〜と泣きそうな声が聞こえてくる。
「レティ大将、海兵をいじめないでください」
そう言いながらやってきたのはついこの間中将に昇格したスザクだった。
「別にいいじゃん!反応が面白いんだから!!」
「バカなこと言ってないでさっさと戻りますよ、お菓子を没収されたくなかったら」
チラッとスザクが見た方へ視線を向けると、そこには私の部屋にあるはずのお菓子があった…。
「あー!また私の部屋から勝手にとってきたでしょう!」
「当たり前ですよ!こうでもしなかったら貴方本部へ帰ろうとしないじゃないですか!!」
こうしてお菓子を取られた私は、泣く泣く本部へ帰ることになった。
ー海軍本部ー
ズゥーン。
私は今、とある部屋の前に立っていた。
あー…帰っちゃダメかな?
けど、スザクには一瞬でばれてお菓子を奪い取られるのだろう。
それだけは絶対に嫌だ!
覚悟を決めて目の前のドアを叩いた。