With Live Planet _この星で生きる_
第13章 私の正体
知らなくてもいい事を知ってしまったようだ。
私はアースベインでガイア様の子供として生まれて、しかも兄弟はガブリエルさん。
いきなりそんなこと言われても信じれない、信じたくない。
でも、そう考えるといろいろとピースが当てはまる。
ここでの生活での順応の早さ。
ガイア様が唱えた言葉を知っていた事。
人間では考えられない身体能力。
「私、人間じゃないの…」
なら、私はなんでミカさんに「人間のくせに…」だなんて言われてたの?
なんだかバカみたいだ。
スマホを放り投げ、ふぅーと深いため息をつく。
頭の中が整理できずソファに寝転がる。
そこに丁度、二階から誰かが降りてくる足音が聞こえた。
「おはよう、花凛っ!」
爽やかな笑顔と可愛らしい寝癖つきのスゥが私に挨拶してきた。
「おはよう、スゥ…」
「どうした?元気ないけど…」
私の方へ寄ってきたスゥにスマホを渡す。
画面を何度かスクロールして最後まで見終わったと思われるスゥは目を見開いていた。
「花凛はガブリエルさんと兄妹で、人間じゃないって事…だよね?」
私にスマホを返した彼はソファに腰を下ろした。
彼も状況をなかなか把握できないようで、首を傾げている。
「受け入れて暮らすしかないよね。
知ったところで私には関係ないから…」
ガイア様もガブリエルさんも、他の人も今の私には遠い人でしかない。
「そうだね、花凛が人間でもそうでなくても何も変わらないから…」
そう言ったスゥはバッと立ち上がる。
「花凛が作ってくれた朝ごはん食べよっか!」
「うんっ、食べよっか!」
やっぱり、私はスゥがいれば何でも乗り越えれるかもしれない。そう思った。