With Live Planet _この星で生きる_
第7章 アースベインの女神
その姿を確認してから、私は残りの皿洗い、皿拭き、皿しまいを終え、再びリビングを見ると4人で戯れていた。
ミカさんは酔いやすいようで、すでに顔を真っ赤にしながらガブリエルさんに抱きついている。
地球が無くなって2ヶ月経ち、私がここで生きて2ヶ月。
「私は誰かのために生きることができているのかな…」
私はボソッと呟くとガブリエルさんが私に助けを求めてきた。
私はくすっと笑ってから、リビングへ向かいスマホを取り出す。
「みんな、こっち向いてっ!」
私がそう言うと最高の笑顔をこちらに向けてきたので、シャッターを押した。
写真を確認すれば笑顔の3人と困り顔が若干1名。
彼ららしくていい写真だと思う。
「写真なんていいから助けろ!暑い、くっつくな!」
ぐぅーっとミカさんを離そうとしてるのに、ミカさんは背中に腕を回してるため離れない。
そんなミカさんを私がこちょばすと私に抱きついてきた。
次にウリさん、そしてなぜかラーファさんもついてきた。
何が起きたかわからないまま、ガブリエルさんも飛びついてくる。
「暑い…というかガブリエルさんは酔ってませんよね⁉︎なにやってるの!てか本当にあっつい!」
おりゃぁ、と私が無理やり立つとなぜかみんなも立ち上がりまた抱きついてきた。
この人たちは酔うとめんどくさいなぁ。
そう思いながら苦笑気味に相手をする。
ミカさんはいつも以上によく喋る。
ラーファさんはいつもよりもよく笑う。
ウリさんはいつもよりも甘えん坊。
ガブリエルさんは酔ってないくせになんか変になってる。
「アテラス、これ飲んでみて!」
そんなガブリエルさんは先ほどから新カクテルの開発に夢中だ。
おかげで私もかなり頭がボーッとする。
すっかり酔ったみたいだ。
いつまでもこんなに幸せな日々が続くといいな、と心から思う。
でもこんな日々はいつも突然に終わるわけで、それを予想もできない。
「みんな、大好きですっ!」
なんて言いながらみんなで笑う日々の終わりを私は想像していなかった。