第2章 TULIP
ご愛読ありがとうございました。
初心者で至らぬ所があるかと思いますが広き心でよろしくお願いします。
著者より
《オマケ》
「なー、ゾロ君ゾロ君」
コイツが君付けで呼ぶ時は、面倒が起こる。
現に今も既に面倒くさい。
俺の肩に腕を組んで、のし掛かるエースを無言で対応する。
「ちゃんが持ってたのな〜んだッ」
揶揄いネタを手に入れたエースは、調子に乗りまくった。
「いつの間にあげたんだ?ぇーっ、お前も隅に置けないねェ」
「お前が客にプレゼントとか明日は雪だな〜ぁ」
「何て言って渡したんだぁ?」
矢継ぎ早に笑いを含んだ問いに答える義理は無い。
足早に俺は階段を降りて行く。
「それにしてもこの中からピンクのチューリップを選ぶとわな〜ぁ」
そう言って活けてある花を弄ぶエースに俺は足を止めた。
それに気付いたエースは、気を良くしたのかニヤリ顔で聞いてくる。
「ピンクのチューリップの花言葉知ってるか?」
アイツに渡した、ピンクのチューリップ。
花言葉は勿論知っている。
この店のオーナーが何故か花言葉や宝石言葉が大好きで散々聞かされていた。
「まさかお前が花を使うとはな〜ぁ」
色とりどりの花。
季節を問わず、いろんな種類が用意されている。
それもオーナーが
女を落としたきゃ花を使え
と、明言しているからだ。
「チッ・・・」
短く舌打ちした俺は、エースを残し先に店内へ入って行く。
俺の後ろでエースが呟いたが、それは俺の耳には入らなかった。
「
愛の芽生え、誠実な愛か・・・
さて、面白くなったな・・」
fin