第7章 WHITE CLOVER
【オマケ】
モーダを部屋に送り届けたペンギン。
前を歩くローを見付けて、その背に追い付く。
「ロー先生」
「ペンギンか、何だ?」
足を止める事がないローに並びながら話を続けるペンギン。
「あの子お知り合いですか?」
「・・・いや、何故だ?」
「先生が、いや、ローさんが自ら手を出すのもあんな笑いも久しぶりに見たもので・・・」
旧知の中の2人。
ペンギンは、俺が笑わない理由を知っている。
一応表面上、笑顔は見せるが以前の俺とは違うのをペンギンは分かっているのだ。
「・・・」
「・・無理には聞きませんので」
知りたいのだろうが、俺の様子を窺い言葉を濁すペンギン。
「・・昔・・・
あんな風にシロツメクサを髪いっぱいに付けて笑う女がいたのを思い出しただけだ」
「女・・・」
そう、昔の話だ。
淡い淡い、恋心。
遠い昔、あの約束を覚えているのは俺だけだろうな。
シロツメクサ
クローバー
その花言葉を大人になって知った時は、笑ってしまった。
「・・・・・約束か復讐か・・」
「えっ?」
「何でもねぇよ」
歩くスピードを早めるロー。
幸せを呼ぶ四つ葉のクローバーの花言葉は有名だ。
だが、何人知ってるのだろうか?
クローバーには、真逆の意味の花言葉があると。
私のものになって
約束
そして、復讐。
要は、〈私のものになって〉の〈約束〉を破ると〈復讐〉する。
そんな、花言葉。
俺との約束はアイツは覚えているのだろうか?
fin