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花言葉を君に 【ONE PIECE】 現パロ

第7章 WHITE CLOVER




私の声にビクッと肩を震わせ振り向く。
クリッとした大きな二重の瞳が印象的な女の子だった。


「・・・」

『・・驚かせてごめんなさい。何か探し物?』

「・・・クローバー・・四つ葉の・・・・・」

小さな声で答えてくれた。
誰もが聞いた事はある、幸せを呼ぶと有名な四つ葉のクローバー。


『四つ葉のクローバーなら、人が往き来した場所にあるって聞いた事があるわ。
一緒に探しましょうか?』

一生懸命探す姿を見ていたら、ついそんな事を言ってしまった。
微かに頷いてくれた女の子の隣に並んで私は眼を凝らす。

綺麗に整備された芝生の庭園。
片隅にシロツメクサの姿は見えるが四つ葉となるとなかなか無い。

最初はポツポツと少しずつ返事してくれた女の子、モーダ。
心臓の病気で入院中、今週手術を控えているそうだ。


「やっぱり無いね」

四つ葉のクローバーを見つけたら手術の強い味方になっただろう。
肩を落とすモーダに私は何と声を掛けたらいいのか戸惑った。


「でも、大丈夫よ。
担当の先生も手術してくれる先生も私、信じてるから」

そう言ってほのかに笑うモーダに私は約束した。

『手術の日、モーダへカミツレの花束プレゼントするわ』

「カミツレ?どんな花だろう・・
とても楽しみよ、お姉さん」

『ええ、約束するわ』

そう言ってシロツメクサで作った花冠をそっとモーダの頭へ乗せた。

「うわぁ〜っ、凄い凄い」


昔、よく作っていた花冠。
母から習って得意になって作った花冠。

あの時は、プレゼントして怒られたったけ・・
俺は女じゃねぇって顔を真っ赤にして怒った男の子。

あの子は・・
よく顔を思い出せない。

淡い淡いあの頃の純粋な気持ち。
そうだ、あの時も約束したんだ。

えーっと・・
あの子と何を約束したんだっけ?


モーダの喜ぶ顔を見ながら記憶を探っていると声が響き渡った。







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