【うたプリ】歌い手Minori、トリップします……?
第5章 進化の予兆
チーーン
エレベーターで4階まで行き、速攻で楽器屋に向かった。
まだ開店したばっかなのに人が多いのは、このデパートの特徴だろう。
でも、楽器屋はそれほど人も多くなくてゆっくりできる。
楽器屋は商品売り場や服などであまり目立たない、隠れた名店とも言える。
ま、SNSでも口コミされてるみたいだから売り上げもそれなりにいいようだけど。
有名人とかも来るとかでそれを見に来る人もいるが、そういう人は店長さんに追い返されてるだ。
それで、隠れた名店扱い。
知る人ぞ知る店というわけだ。
貴「店長さんこんにちは~」
店「まだ“おはよう”の時間だ、馬鹿野郎」
貴「馬鹿とは失礼な!!」
さっきので分かったかもしれないが、店長は口が悪い。
隠れた名店扱いされる理由の一つだ。
それでも音楽をこよなく愛する人で、楽器の扱いもかなり易しい。
音楽好きな人にとっては、口はあれだけど話が合う人。
ここに来たのはまだ2回目。
1回目は藍と来た時だ。
その時楽器や音楽の話が合って、Minoriってことを話したら「また来い」、だってよ。
それで個人的な連絡先まで交換しちゃって、時々LINEもするのだ。
それで、会話の始まりがあんな感じなのだ。
店「で、何を見に来た」
貴「特にこれといって決まってはないけど、久々だから立ち寄った」
店「用がないなら帰れ」
貴「店長、そんなんだから人来ないんだよー」
店「うっせ、ほっとけよ」
通常の会話となるとこんな感じになりがちだが、音楽の話となるとかなり弾む。
趣味で作詞もやってると聞いた時は、かなり驚いた。
実はその作詞を(強制的に)教えてもらったんだけど、プロ顔負けする程良かった。
シャイニーに作詞家候補として教えようかな?
……ま、それはまた今度だ。
今はパラダイスで楽しむ時間!!
貴「ね、触ってもいいでしょ」
店「なんで疑問符がねぇんだ。………の代わり、感想訊かせろ」
貴「勿論」
♪~
それからの僕は、目についた楽器で音を出し始めた。
仕舞いには、曲も弾き始めてしまった。
え?本当は触るべきじゃない?
店長が許可してるから問題nothingでしょ!