第1章 麦わらマートとは、
高校1年の夏。そして、土曜日の昼。
うちの近所に、新しくコンビニができたらしい。
そして、今日開店らしいから…
行ってみることにする。
……ここか。
大きな麦わら帽子の形をした、看板が目印の…
[麦わらマート]
私は、コンビニに入る。
「いらっしゃーいませー!!!!!」
中に入れば、
麦わら帽子をかぶった男の人が元気よく出迎えてくれた。
いきなりで戸惑ったが、
とりあえず会釈して見て回ることにした。
…へぇ、、
結構品揃えあるなぁ…すごいかも……
「いらっしゃい!!」
今度は鼻の長い男の人が声をかけてきた。
ここのコンビニ、、フレンドリーだなぁ……
ってか、名札つけてないのね、、
いいのかなぁ…一応注意してみるべき?
いや、でも、、クレーマーって言われても困るし…
いや、でも!お店的に名札つけるべきだ!!
「あ、あの…」
「ん?どーしたぁ?じゃなくて、どーしました?」
鼻の長い人は、ぎこちない敬語で聞いてくる。
「あの…名札つけたほうがいいですよ」
「あ…はい、そーすっよね~」
そういうと、鼻の長い男の人は事務所へと引っ込んで行った。
そして、私はもちろん後悔…
「はぁ…」
お菓子を何個か持って、レジへ行く。
レジにいるのは、美人な黒髪のお姉さん。
「いらっしゃいませ……643円になります。あ、こちら開店記念に配ってるんですが、よかったら」
渡されたのは、麦わら帽子型の引換券だった。
この店の物ならなんでも引換してくれるらしい。