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ひとつだけ 【ハイキュー!!】

第2章 ひとつちがい




はい と返事をしながら いつもの調子で顔を上げれば、目に入ったのは 肩から下だけ。
慌ててもう一段階 首を上に傾ける。

背が高い。
あと、少しフワフワした髪で、ちょっと眠そうだけど知的な目をした彼。



「貸し出し、お願いします」


言われて差し出されたカードと本を受け取る。




うちの高校は利用者が少なく予算が下りないためか、バーコードシステムを導入していない。


生徒は 個人カードに借りる本のタイトル、日付を書いて受付に渡す。

それを受付が確認して、
本の裏にくっついてる貸出カードに
借りる人の名前と日付を書いて回収。

個人カードに 返却期限と担当者のサインを書いて 生徒に返す。

返却の時は 個人カードに判子を押して、貸出カードを本に戻す。



バーコードになれば それにかざすだけで作業が終わって楽だし、
きっと機械目当てで委員になる人が、多少なりとも増えたりするんだろうけれども。

……私はこの手作業感が、なんとなく温かみがあって好きだなぁ…。



そんなことをぼんやり考えながら貸出カードを本から取り出す。


そこに名前を書くために個人カードを見たところで———正確にいうと フリガナ欄が目に入ったところで、




私の思考は停止した。









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