第5章 新たな出会い
17時45分。
「ここ…だよね……」
私はバレー部が使っているであろう、体育館の前にいた。
赤葦さんは明確に何部とは言ってなかったけど、
“主将から早くトス上げに来いって催促されただけだから”
“室内だからまだマシかな”
思い出す会話の中で推測できたスポーツは、バレーボールくらいしかなかった。
扉に手をかけた所で、ここに来るまでに何度も私を襲ったネガティヴ思考が再来。
もしここに赤葦さんがいなかったらどうしよう、というか いたとしてもいきなり押しかけるの迷惑なんじゃないの、でも目の前に忘れられた本を放っておく訳には、でもやっぱり迷わk…(略)
……目をつむって、深呼吸。
落ち着け、私。
なんだかんだ葛藤はありながら、ここまで来ちゃったんだ。
今更引き返せない。
覚悟を決めて、
今度こそ体育館の扉を開けた。
いざ、出陣…!