第3章 調査兵団
「…5年前、港でお前と別れたあと
俺はシガンシナの街に戻った
お前の会いたがっていた両親を探しに…」
「え…でも!顔もわからないのにどうやって…」
「知っていた
俺とお前の父親…アーヴィンとは仕事仲間だった」
「仕事仲間…?
じゃあ!リヴァイさんは駐屯兵団の方だったんですか?」
「いや…俺は最初から調査兵団だ
アーヴィンとは、まぁ、色々あって知り合った仲だ
だから知っていたさ
妻のキーシャのことも…お前のことも」
「私のことも…?
じゃあ、5年前助けてくれたときは私を知ってて…
助けてくれたんですか?」
「まあな…
よくシガンシナ区にはアーヴィンに連れられ酒を飲みに行っていた
その時、何度もお前を見た
…奴には妻と子の話を聞き飽きるほど聞かされたな」
思い出話をするかのように
少し寂しそうな顔で話した
「…街に戻った時
生きた人間なんか一人もいないとすぐにわかった
あの状態でお前の両親を見つけたのは奇跡だな
…このペンダントは
お前にいつか渡そうと思っていた物だ
…それがまさか今日だとは思わなかったがな」