第1章 はじまり
アーヴィンの自宅にたどり着くと
妻のキーシャが出迎えてくれた
「あなたお帰りなさい
あら?お客さん??」
「ああ、今日は一緒に酒でもと思ってな」
キーシャは優しく微笑むと
「じゃあ後でお部屋にお料理持っていきますね」
そう言って台所へと消えていった
中に入ろうとしたその時
女の子の笑い声が聞こえた
アーヴィンは中庭の方に指を指すと
「リヴァイ!あれが娘だ」
そう言って少女の名を呼んだ
「おーい!」
その声に気づき、と呼ばれた少女はこちらを振り向く
「あ!お父さんー!お帰りなさい!」
満面の笑顔でこちらにむかい手をふる
手にはたくさんのカラフルな花
太陽の光で透けるように輝く金色の長い髪
頭には自分で作ったのか花の冠が乗せられていた
白いワンピースからスッと伸びる手足
なによりもその笑顔が目に焼き付いた
裏の世界で生きるリヴァイには眩しいほどの笑顔
目をそらしたくなるほど…
だけど不思議とそらせずにいた
ボーッと眺めていたらアーヴィンにど突かれた
「おいおいお前にはやらんぞ?」
また豪快に笑う
「……興味ねぇな。あんな田舎娘」
ドカッ…と、またど突かれた
「まぁ…俺も危ない仕事してるからな
いざって時は…俺の家族を頼む」
冗談のように笑うアーヴィン
「気がむいたらな」
•••••••••••••••ーーーー