第5章 人
「くそっ…一体いつまでこんなことしてなきゃいけないんだ…」
「政府の奴ら何考えてんだ」
「俺はなんのために調査兵団に…‼」
「帰って娘の顔でも見に行こうかな…」
調査兵団本部の大広間
今日も待機命令を出された兵士たちが集まり
こぞって愚痴をこぼす
104期のメンバーも例外なくそこにいた
「なぁアルミン…これからどうなるんだ?
まさか上の奴はこのまま一生巨人の家畜でいることを望んでいるのか?」
エレンも突然の活動停止処分に納得いかず苛立ちを隠せずにいた
「うーん…
こればっかりはエルヴィン団長とリヴァイ兵長を信じて待つしかないね
…これは聞いた話だけど
政府の中には壁の扉を塞いで
永遠に壁の中だけで生活することを望んでいる団体があるって噂さ」
「なんだよ…それ…
巨人に屈服するのかよ…⁉
一生びひって暮らしたいのかあいつらは!?」
ガタッと椅子から立ち上がり声を張り上げるエレンを
ミカサがなだめた
「エレン、落ち着いて
ここで何を言っても誰も、何もわからない
今は団長と兵長の帰りを待つのみ
そうでしょ?アルミン」
「うん、ミカサ…
エレン、僕たちは僕たちのできることをしよう
本来なら次の壁外調査は来月だ
今はいつ何が起きてもいいように動ける状態でいるべきなんだよ」
アルミンの言葉をだまって聞いていたエレンはやがて
そうだよな…とつぶやくと
「団長と兵長が行ったんだから大丈夫だよな!
兵長なんか殴ってでも処分を覆してきそうだし…
なぁ??」
そう唐突に
隣でうつむいて考え事をしていたに話しかけた